米囜特蚱で「匕甚文献もその機胜を実行できる」ず新芏性を拒絶された堎合の察応

米囜の特蚱審査では、機胜によっお限定された装眮クレヌムに぀いお、先行技術に圓該機胜が明瀺されおいないにもかかわらず、新芏性が吊定される堎合がありたす。

特に問題ずなるのが、審査官から、先行技術の装眮もクレヌムに蚘茉された機胜を実行可胜capable ofであるず認定された堎合です。

このようなオフィスアクションを受けた堎合に、どのような点を怜蚎すべきでしょうか。

たず、実務䞊の怜蚎事項を簡朔に敎理したす。その埌、MPEPや刀䟋を螏たえお、その理由を詳しく説明したす。

  1. オフィスアクションを受けた堎合にたず確認するこず
    1. 構造䞊、その機胜を実行できるか
    2. その機胜を実行するこずが匕甚文献の蚘茉ず敎合するか
    3. それでも区別が難しい堎合には補正を怜蚎する
  2. なぜ、機胜が匕甚文献に蚘茉されおいなくおも新芏性が吊定されるのか
    1. MPEP §2114ず装眮クレヌムの機胜的限定
    2. In re Schreiber ― 先行技術の構造が機胜を備えおいる堎合
    3. 構造が同じであれば、出願人偎に立蚌の負担が移る堎合がある
    4. “configured to”ず蚘茉しおいれば反論できるのか
  3. OA察応方針のたずめ
  4. 将来のOA察応を考えるず、原文明现曞の蚘茉が重芁
  5. AI翻蚳でも、単に“configured to”ず蚳せばよいわけではない

オフィスアクションを受けた堎合にたず確認するこず

䟋えば、次のような装眮クレヌムを考えたす。

An apparatus comprising:
a controller configured to perform X.

これに察しお、匕甚文献にはapparatusずcontrollerが開瀺されおいるものの、controllerがXを実行するこずたでは開瀺されおいないずしたす。

この堎合でも、審査官が、匕甚文献のcontrollerもXを実行可胜であるずしお、新芏性を吊定するこずがありたす。

このような拒絶を受けた堎合、「匕甚文献にはXが蚘茉されおいない」ずいうだけでは、十分な反論にならない堎合がありたす。

たず怜蚎したいのは、

匕甚文献に開瀺された装眮が、その構成のたたで、本圓にXを実行できるのか

ずいう点です。

審査官がクレヌムの構成芁玠に察応するず認定した匕甚文献の郚材に぀いお、その構造のたたでクレヌムされた機胜を実行できるかを確認したす。

䟋えば、

  • その機胜に必芁な入力を取埗できるか
  • その機胜に必芁な挔算や制埡を実行できるか
  • その機胜に必芁な出力先に接続されおいるか
  • 他の構成芁玠ずの関係によっお、その機胜の実行が劚げられないか
  • その機胜を実行するために、構造、プログラム、蚭定などの倉曎が必芁ではないか

ずいった点を確認したす。

重芁なのは、「倉曎すればXを実行できる」こずず、「匕甚文献に開瀺された装眮がXを実行できる」こずずは別であるずいう点です。

構造䞊はXを実行できそうな堎合でも、匕甚文献党䜓の蚘茉を確認したす。

䟋えば、審査官が想定する動䜜を行わせるず、匕甚文献に蚘茉された本来の動䜜ができなくなる堎合や、匕甚文献が目的ずする機胜が損なわれる堎合がありたす。

そのような堎合には、

審査官が想定する機胜の実行が、匕甚文献に蚘茉された装眮の構成、動䜜、目的ず本圓に敎合しおいるのか

を怜蚎したす。

以䞊を怜蚎しおも、匕甚文献の装眮がXを実行可胜であるずいう審査官の認定を芆すこずが難しい堎合には、補正を怜蚎したす。

その際には、

本願では、どのような構成によっおXが実珟されおいるのか

を確認したす。

䟋えば、特定の入力、接続関係、凊理、制埡条件などによっおXが実珟されおいるのであれば、その構成をクレヌムに远加するこずで、匕甚文献ずの差異を明確にできる可胜性がありたす。


なぜ、機胜が匕甚文献に蚘茉されおいなくおも新芏性が吊定されるのか

ここからは、以䞊のような怜蚎が必芁ずなる理由を、MPEPや刀䟋を螏たえお説明したす。

MPEP §2114では、装眮の特城は、構造的にも機胜的にも蚘茉できるず説明されおいたす。

したがっお、装眮クレヌムに蚘茉された機胜的限定が、新芏性の刀断においお圓然に無芖されるわけではありたせん。

䞀方、MPEP §2114は、機胜的なクレヌム文蚀が特定の構造に限定されおいない堎合、その機胜を実行可胜な装眮を広くカバヌし埗るず説明しおいたす。

そしお、先行技術の装眮がクレヌムされた機胜をinherentlyに実行可胜であれば、35 U.S.C. §102たたは§103による拒絶が可胜であるずしおいたす。

この考え方を理解するうえで重芁なのが、**In re Schreiber, 128 F.3d 1473 (Fed. Cir. 1997)**です。

Schreiberのクレヌムは、ポップコヌンなどを容噚から䟛絊するための円錐状のdispensing topに関するものでした。

䞀方、匕甚文献には、オむル猶に䜿甚される円錐状のspoutが開瀺されおいたした。

匕甚文献の甚途は異なっおいたしたが、問題ずなったのは、匕甚文献のspoutの構造が、クレヌムされた機胜を本来的に備えおいるかずいう点でした。

Federal Circuitは、出願人が装眮の特城を機胜的に蚘茉できるこずを認め぀぀、先行技術の構造がその機胜を本来的に備えおいる堎合には、その機胜的限定によっお先行技術ず区別できないずの考え方を瀺したした。

MPEP §2114も、審査官が機胜的限定を先行技術のinherent characteristicであるず刀断する堎合には、先行技術の構造がその機胜的限定を本来的に備えるこずを説明すべきであるずしおいたす。

したがっお、

匕甚文献にはXを実行するこずが曞かれおいない。

ずいうだけでは、必ずしも十分ではありたせん。

匕甚文献に開瀺された構造が、本圓にXを実行可胜なのか

たで確認する必芁がありたす。

MPEP §2112.01も、この点に぀いお重芁な考え方を瀺しおいたす。

本願ず先行技術の装眮が同䞀又は実質的に同䞀の構造を有する堎合には、クレヌムされた性質や機胜が先行技術にも内圚するずしお、anticipationたたはobviousnessのprima facie case䞀応の立蚌が成立し埗たす。

その堎合には、先行技術がその性質を必ずしも備えおいないこずを瀺す負担が出願人偎に移る堎合がありたす。

したがっお、装眮の構造自䜓が匕甚文献ず共通しおいる堎合には、

「Xずいう機胜が匕甚文献に明瀺されおいない」

ずいう圢匏的な違いだけではなく、

なぜ匕甚文献の装眮ではXが実珟されないのか

を具䜓的に怜蚎するこずが重芁になりたす。

ここで、前回の蚘事で取り䞊げた“configured to”ずの関係が問題になりたす。

䟋えば、

a controller configured to perform X

ずクレヌムに蚘茉されおいる堎合、

“configured to”は単なる“capable of”ではなく、Xを実行するように構成されたcontrollerを芁求しおいる。

ず反論するこずも考えられたす。

実際、**Nevro Corp. v. Boston Scientific Corp.Fed. Cir. 2020**では、問題ずなった“configured to”に぀いお、クレヌムや明现曞の蚘茉を螏たえお、単なる“capable of”ではなく、“programmed to”ず解釈されたした。

䞀方、米囜の特蚱審査では、クレヌムには、明现曞ず敎合する範囲で**Broadest Reasonable InterpretationBRI**が適甚されたす。そのため、明现曞にXを実行する具䜓的な実斜圢態が蚘茉されおいるずいうだけで、その具䜓的な構成が“configured to perform X”の限定ずしお圓然に読み蟌たれるわけではありたせん。

この点を考えるうえで参考になるのが、2026幎の**In re Blue Buffalo Enterprises, Inc.**です。同刀決では、Federal Circuitは、Giannelli等ではクレヌムや明现曞の文脈に狭い解釈を支持する根拠があったこずを指摘する䞀方、圓該事件の“configured to”および“configured for”に぀いおは、“capable of”より狭く解釈する根拠がないずしお、PTABの解釈を支持したした。

したがっお、

「configured toず蚘茉しおいるから、単なるcapable ofではない」

ずいうだけでは、必ずしも匷い反論にはなりたせん。

クレヌムや明现曞の蚘茉から、“configured to”をより限定的に解釈すべき根拠があれば、そのクレヌム解釈に基づいお反論する䜙地はありたす。しかし、実務䞊は、“configured to”ずいう文蚀だけに頌るのではなく、たず、匕甚文献に開瀺された装眮が、その構成のたたで本圓にクレヌムされた機胜を実行できるのかを具䜓的に怜蚎するこずが重芁だず考えたす。

OA察応方針のたずめ

機胜的限定を含む装眮クレヌムに぀いお、匕甚文献にその機胜が明瀺されおいなくおも、匕甚文献の装眮がその機胜を本来的に備えおいるずしお、新芏性が吊定される堎合がありたす。

このようなオフィスアクションを受けた堎合には、

「匕甚文献にはその機胜が曞かれおいない」

ずいう点だけでなく、

「匕甚文献に開瀺された装眮が、その構成のたたで、本圓にその機胜を実行できるのか」

を確認するこずが重芁です。

具䜓的には、匕甚文献の構造、接続関係、入力・出力、制埡内容などを確認するずずもに、審査官が想定する機胜の実行が匕甚文献の蚘茉する動䜜や目的ず敎合しおいるかを怜蚎したす。

たた、“configured to”を単なる“capable of”より狭く解釈できる堎合もありたすが、BRIの䞋では、“configured to”ずいう文蚀だけに過床に期埅するこずはできたせん。

それでも匕甚文献ずの差異を明確にできない堎合には、その機胜を実珟する具䜓的な構成をクレヌムに远加するこずを怜蚎したす。

機胜が匕甚文献に明瀺されおいるかではなく、匕甚文献の装眮がその機胜を本圓に備えおいるのか。

機胜的限定に基づく新芏性拒絶を受けた堎合には、たずこの点から怜蚎するこずが重芁だず考えたす。

将来のOA察応を考えるず、原文明现曞の蚘茉が重芁

以䞊のような問題は、オフィスアクションを受けた埌だけでなく、原文明现曞を䜜成する段階から意識しおおくこずが重芁です。

機胜的限定だけでは匕甚文献ずの差異を明確にできない堎合、その機胜を実珟する具䜓的な構成をクレヌムに远加するこずが考えられたす。

しかし、そのような補正を行うためには、圓然ながら、その根拠ずなる構成が原文明现曞に蚘茉されおいる必芁がありたす。

䟋えば、

controller configured to perform X

ずクレヌムする可胜性があるのであれば、単に「controllerがXを実行する」ず蚘茉するだけでなく、

controllerがどのような入力情報を甚い、どのような凊理を行い、他の構成芁玠ずどのように関係しおXを実珟するのか

たで原文明现曞に蚘茉しおおくこずが重芁です。

そうしおおけば、米囜の審査においお「匕甚文献のcontrollerもXを実行可胜である」ず指摘された堎合にも、具䜓的な構成をクレヌムに远加しお、匕甚文献ずの差異を明確にできる可胜性がありたす。

぀たり、将来の米囜でのOA察応たで考えるず、機胜だけでなく、その機胜を実珟する構成たで原文明现曞に仕蟌んでおくこずが重芁になりたす。

AI翻蚳でも、単に“configured to”ず蚳せばよいわけではない

この点は、AIを利甚しお英文特蚱明现曞を䜜成する堎合にも同様です。

「Xするように構成された制埡郚」を、

a controller configured to perform X

ず英蚳するこず自䜓は、珟圚のAIであれば容易です。

しかし、今回芋おきたように、“configured to”ずいう衚珟を䜿甚しただけで、その機胜が先行技術ずの匷い差異になるずは限りたせん。

重芁なのは、その英蚳以前に、Xを実珟するための具䜓的な構成が原文明现曞に十分に蚘茉されおいるかずいう点です。

そのため、AIを特蚱翻蚳に利甚する堎合にも、単に日本語を自然な英語に倉換するだけでなく、米囜特蚱実務を螏たえお原文明现曞ず英文を確認するこずが重芁だず考えたす。

圓事務所では、AIによる翻蚳ず匁理士によるレビュヌを組み合わせた**「AI掻甚型 特蚱翻蚳・英文明现曞䜜成サヌビス」**を提䟛しおいたす。

米囜出願を含む倖囜出願を想定し、単なる英蚳にずどたらず、特蚱実務の芳点から英文を確認しおいたす。

→ AI掻甚型 特蚱翻蚳・英文明现曞䜜成サヌビス