米国出願のIDS(Information Disclosure Statement)で悩ましいのが、Issue Feeを支払った後に、米国以外のファミリー出願でOAが発行され、そこで新たな引例が引用された場合です。
Issue Fee支払後は、通常のIDSを提出しても、その引例を審査官にconsiderしてもらうことはできません。一方、米国におけるDuty of Disclosureは、特許が発行されるまで継続します。
では、このような場合、どうすればよいのでしょうか。
まずQPIDSを検討する
**QPIDS(Quick Path Information Disclosure Statement)**を利用すれば、Issue Fee支払後でも、新たな引例を審査官にconsiderしてもらうことができます。
審査官が引例を検討した結果、
- 審査を再開する必要がない → そのまま特許発行へ
- 審査を再開する必要がある → RCEに移行
となります。
QPIDS申請時にはRCE費用を一時的に支払う必要がありますが、審査官が「審査再開不要」と判断した場合はRCE費用が返金されます。そのため、無駄なRCE費用をかけずに引例の開示義務を果たせるのが大きな利点です。
ただし、QPIDSを利用するためには、時期的な要件があります。
米国以外のファミリー出願について、その国・地域の特許庁からのcommunicationでその引例が初めて引用された場合には、原則として、そのcommunicationの日付から3か月以内に手続を行う必要があります。
QPIDSを利用できない場合
通常は、QPIDSを利用できるケースが多いと考えられます。しかし、何らかの理由でQPIDSを利用できず、引例について審査官によるconsiderationを受ける必要がある場合には、RCEにより審査を再開することを検討します。
また、Issue Fee支払後に通常のIDSだけを提出することもできます。ただし、この場合、IDSはfile wrapperには収録されますが、審査官によるconsiderationは行われません。したがって、「USPTOに提出したこと」と「審査官にconsiderしてもらったこと」は別である点には注意が必要です。
